オーケストラをリードする要といえば、コンサートマスター。
へたをすれば、優秀なオーケストラは、指揮者よりも全員がコンサートマスターの弓の動きを信用して音を合わせるといわれるほどです。
ご多分にもれず、カラヤンが君臨していた手兵ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団も、このミシェル・シュバルベ氏が長いこと牛耳っていました。もともとスイス・ロマンド管弦楽団のコンマスだったのを、カラヤンが一目ぼれしてヘッドハンティングしたのが始まり。
彼の弓を持つ右手は100万ドルの価値があるとまでいわれた伝説のお方です。
この写真はどうやらシュバルベ氏と語るカラヤンの背後に、ロストロ・ポーヴィッチ氏が写っているため、R・シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」のリハーサル中の一こまではないでしょうか。
カラヤンが指揮台にあがるときだけ務めるという特別契約にもなっていたようで、彼からの信頼度が非常に高かったことが窺えます。