自然の中に住み、自然を描く、寺尾一郎のクレヨン画

Kurofune_R

日本は邪馬台国の時代から今日までの間に、国自体が180度変化してしまうほどの出来事が2つあったというのが僕の持論です。

みなさんはその2つが何だとお考えでしょうか。

僕は迷うことなく、それは1192年と歴史上の資料ではなっていますが、鎌倉幕府が成立した事件と、1853年に黒船がやってきたペリー来航の2つだと思っています。

なぜなら、鎌倉幕府は日本で初めて武士が政治をつかさどるようになったこと。またペリー来航によって日本はいよいよ息の長い外国との交際をしはじめなくてはならなくなったこと、この2つを理由として考えます。

だから関ヶ原の戦いみたいなものは規模はでかくても、体質ががらっと変わるようなことではなかったという観点から歴史は俯瞰でものを見なくてはならないのではないかと。

さて、この日本中を震撼させたペリーの御一行様の来航、ものの本ではかなり威圧的に、有無をいわさず開港を迫ったのでしょうか。

大概の本や教科書にはそれしか記述がないのでいたしかたがないのでしょうが、よくよく俯瞰でものを見ていくと、どうも威圧的だったのは腰ぬけと表現されている幕府側だったということが綺麗に見えてきます。

当時の世界はイギリスとフランス、スペイン、ポルトガルの「植民地大国」、彼らの餌食になったのは隣の中国(清でしたが)、インド、そしてアフリカの諸国、南米といったところ。

そして意外にもロシアとアメリカは「植民地を持たない大国」でした。

これを勘違いすると大きな過ちを犯してしまいます。

イギリスはご存知のようにアヘンという麻薬をインドで栽培し、中国を骨抜きにし、次のターゲットを日本に定めています。

なんという卑劣なやり方なのか。今の外務省はこの事実を何回でもイギリスにいう価値は十分にありと考えています。

フランスはイギリスとは違い、アジアには魔の手をあまり差し伸べてはきませんでしたから我々にはこうした極悪非道なことをやってきたとは感じにくいのですが、そこはそれ、彼らは同じことをアフリカでさんざんやってきています。

さて、翻って黒船でやってきたペリー艦隊のバックにあるアメリカはどうだったのかといえば、意外にも紳士な対応だったのです。

少しばかり時計の針を逆に戻さないといけないのですが、このペリーがやってきた1853年から遡ること45年前に日本では重大な事件が起きています。

歴史好きのお方なら誰もがご存知の「フェートン号事件」です。

イギリスの船であるにもかかわらず長崎の出島は中国とオランダにしか開港を認めていなかった当時の日本、オランダの船だと嘘をついてやってきて、あげくのはてにオランダ商館の人を拉致。堂々と補給の食料を日本から巻き上げて帰国します。

これに頭に来たのは当然、幕府でこれをきっかけに「異国船打払令」が出されます。お前ら出ていけをなんでもかんでもやりだすわけですね。

ところがこれで味をしめたのか、イギリスはアヘンを使って中国にまで迫ってきました。

そして引き続き、今度はアメリカから新たなお客がやってきます。有名な「モリソン号」です。

目的はイギリスのような極悪非道なものではなく、補給基地としての開港と物資をわけてくれというものです。

しかし幕府はモリソン号に大砲を撃って追い払ってしまいます。

さぞやアメリカは驚いたであろうし、下劣なことをやる国だとなったはずです。

身内でもこれはいくらなんでも酷いという意見が大勢を占め、身の危険を感じた幕府は良識ある知識人などの意見も取り入れた末、この法令を「薪水給与令」というものに変えます。

そしてこれまた皮肉にもこの法案が成立した直後あたりにアメリカからまたまた、お客さんがやってきます。

ペリーの前任のビットルという代将が浦賀にやってきます。

薪水給与令がでてまもないことでもあったので、モリソン号のような仕打ちは受けなかったものの腰の低いビットルを馬鹿にした幕府側が上陸したビットルを殴って「出ていけ、野蛮野郎!!」とやってしまいます。

こういうこと、しっかり日本史の教科書に載せていただきたいものです。

どこまでいっても上手いやり方をすれば有利な外交もできたはずの日本、この時代から外国との交渉ごとは少しも成長していないような気がしてなりません。

アメリカはこの殴打事件によって、体格のよい大きなしかも威圧的なペリーをよこしてくれたというのが事実です。

歴史の事実は必ず資料だけではなく、俯瞰でものを見なくてはいけない、の典型的な例だと思うのですが・・・。

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