自然の中に住み、自然を描く、寺尾一郎のクレヨン画

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クラシック音楽では必ず主役をつとめる弦楽器。

小さい方から順番に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの順になります。

独奏者がステージに現れて、ヴァイオリン協奏曲を演奏するときなど、ひときわ華やかで恰好よさを感じてしまいます。

ところで、以前に「オーケストラがやってきた」という番組で放送していたときのことをふと思い出しました。

だれしもが時々思う疑問らしいのですが、皆さんもご存知でしょうか、このヴァイオリン(他の3つも基本はそうですが)弦が4本あります。

最近のモダン楽器では主流がスチール弦ですが、古楽器演奏になると当時を再現すべくシープガット弦などを使うこともあります。

さてこの楽器、オーケストラが演奏に入る前に必ずすることがチューニング(音合わせ)。

基本は「ド・レ・ミ」の「ラ」の音が万国共通で440ヘルツ(あの時報のポッポッポッピーン)と決められています。

ヴァイオリンでいうとかまえてもったとき自分から見て一番右から2本目の弦が開放(指で指板をおさえず)で「ラ」の音ですから、これを基準にオーケストラメンバーは音を合わせていくことになります。

ところが、古今東西どのオーケストラも必ずこのピッチを440ヘルツで死守しているわけかといえば大いに違うのですね。

演奏する曲目や指揮者の好みにもよるのでしょうが、ヨーロッパなどのオーケストラは概して443ヘルツくらいに少し高めにして演奏します。

その逆に古楽器演奏スタイルだと極端に435ヘルツくらいにして合わせるところもあり。

ピッチを高くすればするほど、当たり前ですが、弦の張りを強めてひっぱりますから、時々演奏中にこの弦がプツンと切れてしまうアクシデントがあります。

かくいう僕も昔上野の東京文化会館でライブを聴きにでかけた際に、オーケストラの30名ほどいるヴァイオリン群のお一人の弦が切れたときに遭遇したことがありました。

そのときも先の「オーケストラがやってきた」と同じ方法で対処していたので、へえ~っとえらく感心したものです。

皆さんはその演奏者が切れるとどうするかご存知でいらっしゃいますか?

客席から見て向かってステージ中央に指揮台があり、この上で指揮者が指揮棒を振りますが、そのすぐ左脇にいるのがいわゆるコンサートマスターです。

この左うしろに2番目のプルトのヴァイオリン奏者がいますが、かりにこのお方が演奏中に弦が切れたとします。

そうすると、その人は演奏中にもかかわらず、すぐ後ろの人に弦が切れたヴァイオリンを渡してその人のヴァイオリンと交換します。

3番目の人はこれとまるっきり同じことを4番目の人に・・・。

と、最後に一番後列のお方がその切れたヴァイオリンを受け取ると、そっと楽屋裏に入っていき、もうひとつのヴァイオリンをもってでてきて着席し、何事もなかったかのように演奏しはじめるというこんなやり方なんだそうです。

最近は自らもうひとつのヴァイオリンをケースにいれたまま自分の席の脇にそっと置いているお方も散見しますが、こうした場合は上記のやり方をやらないのかもしれません。

意外にも原始的(?)なやり方で対処するものなんですね。

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