今年の10月8日に見られた皆既月食、残念ながら自分が住む伊豆では生憎の曇り空で観測することができませんでした。
でも、来年も再び皆既月食が見られるチャンスがやってきます。
2015年4月4日。大安ですから縁起もいいですね。
ブログでも何回か取り上げてきましたが、皆既月食は、太陽の光が地球の反対側で影になっているところに、ちょうど月がはいってくることで起きる現象です。
ですから月が月食で欠け始めたら、それは地球の影が写り込んでいることになります。
ところが皆既月食は、皆既日食とは違い、完全に月が見えなくなるわけではなく、ほのかに赤黒い色をして見えます。
これは一体なぜなのでしょうか。それが2枚のうちの上の図で解説されているように、地球の周囲を取り巻く大気の中を通過した太陽光のうち、赤い色(波長)の光だけが残って隠された月面に投射されるからなんですね。
よく、チビッコたちにも同じような内容で受ける質問が、なんで晴れた日の空は青いの?です。
中には地球の大半にある海が青いからそれが投射されて青いんだという子供もいますが、そうではありません。
太陽光は皆さんもご存知のようにプリズムを通したり、虹が現れたときに7色の光がみれますよね。
あの7つの光はみんなそれぞれが波長(波の長さ)が違うことによって目視できる色なんです。
昼間は太陽光のうち7色の中の青い色の波長が地上まで届いているので、あのような色になるのです。
ではその波長が思い切り間延びして長い波長になるとどんな色に変わってくるかというと赤い色です。
大気の厚さを真上から投射すると波長が間延びせずに地上まで到達するのでそれが青い色になるわけですが、朝や夕暮れどきには、太陽光が大気の中を通過して我々に届くまでの大気の厚さが真上からの垂直の厚さより厚いため、目に届くまでの波長が間延びしたものしか届いてこないので朝焼け、夕焼けといったあの色に変化してしまいます。
おわかりになられたでしょうか。
前回投稿した火星探査機キュリオシティが送ってくる映像は、火星の空の色が夕焼けに似た色になっていますが、あれも夕暮れ時に写したからではなく、火星の大気が赤い色の波長を通して地上にやってくるので、あのような色になっているのですね。
決して火星の地上が赤茶けた色だから空があのような色になっているのではありません。
光が波長によって色が変わるというのも面白いですね。