自然の中に住み、自然を描く、寺尾一郎のクレヨン画

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一人の老兵士が熱き感動を一人のご婦人に語っているかのように見えるこの写真。

すでに36年間の苦楽を共にした夫婦生活でもあるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との離別を覚悟した老兵士がこのたぐいまれな天才少年を起用して世に問う準備を着々と進めているある一コマ。

1988年12月も中旬、オーディションが終わったあと、激痛の右足を引きずるようにしてようやくたどり着いた楽屋に休憩していたエフゲニー・キーシン親子を訪ねたヘルベルト・フォン・カラヤン。

とめどなく出てくるカラヤンの感動の讃辞にキーシンの母親も戸惑っているような感じすらうけます。

カラヤンは晩年、才能あふれる若人の発掘に全力をかけていましたが、このオーディジョンでその箍がはずれたのでしょうか。

1988年12月31日のベルリンでのジルベスターコンサートを最後に、カラヤンは36年間連れ添ったオーケストラとの離別を決意します。

そしてこのキーシンが人生最後の共演者となることを彼は悟っていたのでしょうか。

珍しい感動の一コマではないでしょうか。

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