夏の夜空に現れる代表的な星座のひとつがこの「こと座」です。
大きさは近くにあるはくちょう座やさそり座に比べるとあまり大きくはなく、地味な星座ですが、この中に天文ファンには欠かせない要素がふたつあります。
まずはこの星座の1等星が「ベガ」。日本では七夕で「織姫」として有名ですね。
そして最後の3枚目の写真にあるように「夏の大三角形」をつくるひとつでもあります。
さて、大事な要素の2番目が2枚目の写真にある有名な「リング星雲」です。
天文ファンの中には見た目がまるでネコの目ににていることから「猫の目星雲」なんて異名までつけられている星雲。
まずは、この「こと座」の1等星「ベガ」(織姫)ですが、実は意外にも我々の地球からそれほど遠くはないところにあります。
光の速さで25年。つい最近の姿を見ていることになります。
そして大事な「リング星雲」。約1,000光年の距離にありますから、鎌倉幕府の当時の姿を見ている感じでしょうか。
実はこの星雲を正式には「惑星状星雲」と名付けられているのですが、この写真のリングの中央に白いぽちっとした小さな点がみえますね。
これは我々の太陽クラスの恒星が最後に死を迎えたときと同じ状態の星が中央にあるのです。これが「中性子星」。
太陽もあと50億年の寿命がありますが、そのあとは遠くの宇宙から眺めたらこんな姿になっているかもしれません。
超新星爆発をおこすほどの質量の恒星ではないため死んでいく段階で表層のガスが少しずつはぎとられてこんなリングのような形を作っていきます。
最後に残ったのが地球と同じ程度の大きさの中性子星。
こと座の長方形のすぐ脇にあり、少し見つけにくいかもしれませんが、目がよければ発見できると思います。