皆さんはクラシック音楽にあまりなじみがなくてもバレエ音楽の舞台を一度は目にしたことがあると思います。
この写真はあの有名なチャイコフスキーが作曲した3大バレエのひとつ「白鳥の湖」の中の一こま。
ところで、皆さんはバレエ音楽の発祥の地がどこだかご存知でいらっしゃいますか。
地元のチビッコたちにもこのお話をするのですが、10人いれば10人がほぼロシアと答えます。
なるほど確かにロシアはバレエ音楽のダンサーも有名な人達がいて、なんといってもボリショイバレエとか冬季オリンピックでもフィギュアスケートのペア選手の層もかなり厚いし。
そしてバレエ音楽の大家であるチャイコフスキーやストラヴィンスキーまでもがロシアの作曲家、当然そう思ってしまいますよね。
ところが正解はさにあらず、フランスはパリなのです。
これについては、今、家庭教師を依頼されているお方のお嬢様が学校の部活でダンスをやっているからdかどうか、同じ質問をしたら即座にフランスという答えが返ってきたのでさすがだなと思いました。
そこで意外な場所であるパリがなぜ発祥の地なのでしょうか。
クラシック音楽の中でもとりわけ敷居が高いと日本ではファン人口が少ないオペラ(歌劇)の発祥の地はイタリアです。
あのモーツアルトも生涯に26曲ものオペラを作曲していますが、その作品の大半がイタリア語です。
日本でいえば歌舞伎みたいなものとおっしゃるお方も大勢いらっしゃるのですが、僕はちょっと違ってミュージカルに近いのではないかと思っています。
さて、イタリアで起きあがったオペラ、内容もさまざまですが、大半は男女の悲恋や逢引き、不倫みたいなものばかり。特にモーツアルトはそうです。
舞台の上でオペラ歌手が歌いながら縁起もし、それを舞台と客席の間にあるくぼみ(オーケストラピット)に入ったオーケストラが伴奏するわけですが、オペラの内容はともかく、歌手たちも物語の内容で衣装を換えたりはするものの、一般の服装が大半です。
このイタリアオペラがドイツやフランスに少しずつ進出していくわけなのですが、この舞台衣装に不満を抱いたのがパリ市民。
なぜだかおわかりでしょうか。
そう、パリはヨーロッパ全土の中でもとりわけエロティシズムが発達していた国。
市民はこんな衣装などエロティシズムが感じられずけしからん、もっと露骨な衣装のオペラがないのか?とブースカ文句をいいます。
そうした中でディアギレフというバレエ音楽の一大興行主がロシアにわたりチャイコフスキーやストラヴィンスキーにバレエ音楽を委嘱して数々の名曲が生み出されてきたというのが時間の流れなのです。
舞台で踊るバレリーナたち。この写真もそうですが、ボディラインが露骨にみえますね。
これを舞台の上でやってパリ市民はやんやの喝采を送ったというのが正しい歴史の流れです。
ほら、皆さん、今でもパリ市内のムーランルージュではかの有名な「フレンチカンカン」を演目にあげているでしょ。
舞台上の女性たちが歓声をあげながらスカートをめくりあげる勇壮なダンス。♪~