自然の中に住み、自然を描く、寺尾一郎のクレヨン画

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我らが誇る世界最大級の天体望遠鏡「スバル」。

皆さんもよくご存知ですよね。ハワイ島のマウナ・ケアの山頂近く、標高4,205メートルの高さに位置する世界最大級の天体望遠鏡です。

ただ、タイトルにも?マークを付しましたが、世界最大級とつけたのには正確には口径(天体望遠鏡の筒(本体)の直径)が世界最大ではないからなんです。

かなり多くのお方がこの「スバル」を最大と思い込んでいらっしゃるようなので、簡単にこのお話をしたいと思います。

実は「スバル」の口径は8.2メートル。しかし8.4メートルとわずかな差で世界最大の天体望遠鏡があります。それはカナリア天体望遠鏡。

あれ?では一体何が世界最大とあれだけ騒がれたんだと不審に思われるお方がいらっしゃるかもしれませんね。

実はこうした巨大な天体望遠鏡は「反射式」といってこの筒本体の底に口径とほぼ一緒の鏡がついているのです。

ヘえー、それでなんで0.2メートル差で小さいのに世界一なのかというのがこれから述べるお話で、やっぱりさすがは日本だなと感心する職人技が隠されているのです。

口径は確かにカナリアにわずかにまけていますが、このスバルは底にある鏡がたったの1枚でできているのです。

そこへいくとカナリアは確か200枚程度の鏡を連結させて底に設置してあるはず。

だったらカナリアだって1枚にすればいいじゃないかと普通なら思うでしょうが、実は鏡というのはそれだけの大きさになるととてつもない重さになってしまいます。

天体望遠鏡もこれだけの口径の大きさになると、まさにハッブル宇宙望遠鏡が我々に届けてくれる最も奥深い宇宙(ウルトラ・ディープフィールド)の世界(光の速さで130億光年もかかる奥)を正確に観測することができるのですが、ここで問題になるのが、この本体底にとりつけられた鏡の重さ。

天体観測する筒ですから真上をむいているだけでなく、ありとあらゆる方向にむけなくてはなりませんね。

その時に問題になるのが実はこの鏡の重さなのです。

表面の8メートル近くの鏡の表面にこの重さに耐えられずにほんのわずかな(せいぜい1~2ミリ程度)歪みができてしまうだけで、先のウルトラ・ディープフィールドの星や銀河の観測に支障をきたしてしまうのですね。

なんというデリケートな工学機器なのでしょうか。

そこで世界各国ともこの歪みができてしまうことで1枚鏡を断念し、沢山の分割にして重さを分散させているわけですが、スバルはたったの1枚。

ではどうやってその歪みをなくすかというとタネはその鏡の裏側にあり。

約200の吸盤のようなもの(いってみればあの心電図を測るときに胸にすいつけるあれを思い出せばよいかも)がついていて、この本体を傾けたときにもその鏡の歪みができないようにコンピューター制御されているのだそうです。

わずかな歪みができたらその1個の吸盤が歪み補正して持ち上げるそうですから、いやはやここまでくると確かに日本の職人技。

そんなことから口径の大きさではなく1枚の鏡が世界最大の口径の宇宙天体望遠鏡だというのが正解でしょうか。

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